T 芦ノ原集落の現状と課題

 芦ノ原集落は、少子高齢化や過疎化が進み、集落人口は平成22年4月1日現在217人、昭和40年比で129人減少しています。
3区分の人口動態も、14歳以下が25人(11.5%)、高齢者人口74人(34.1%)と年々少子高齢化が進んでいます。
このような状況は、農業従事者の高齢化や後継者不足につながり、中山間地区という地域性も相まって、年々耕作放棄地も増加傾向にあります。

 
○集落人口と世帯数の推移
 
 こうした状況から、集落では地域の農業基盤に危機感を感じ、平成18年1月に集落全体で支え合う組織「芦ノ原地区集落営農改善団体」を立ち上げ、「芦ノ原農作業受託組合」が主となって、現在、稲作作業を中心に取り組んでいるところです。このことは、米づくりが困難となった一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯でも、自分の田んぼから米を収穫できる喜びが味わえ、重労働を伴わない稲作づくりが、いつまでも元気な高齢者の存在に繋がっています。
この集落営農改善団体の組織づくりが、今後の集落を考えさせる一因となり、地区住民が自ら村づくりに参加・協力する機運が高まったと云えます。組織設立にあたってはアンケート調査を実施し、様々な意見が寄せられています。
集落で収穫した野菜などを売る「直売所」があったら良い
都会の人や農業に興味のある人に土地を貸してあげたら
耕作放棄地に景観作物を集落全員で植え、荒地に解消を図ったら
棚田の土手を利用して薬草などを植え、薬草を使った農家レストランの経営
グリーン・ツーリズム的な体験できる農業を考えては
専門家の人を呼んで、地域資源を活用した村づくりを考えては
地区のまとまりが何といっても一番である
定期的に村を考える会議を開催しては
このような意見をもとに、少しでも元気な村づくりに資するため、平成21年度からは地区民から最も要望の多かった農産物直売所の営業を開始し、平成22年度には、福島県サポート事業により将来的な計画づくりと併せ、グリーン・ツーリズムによる地域活性化を目指すための農業宿泊体験(学生のワーキング・ホリデー)を実施したところです。
こうした状況下、本計画書は、これからの芦ノ原地区の更に一歩進もうとする地域の活性化に向け、「芦ノ原地域おこし計画策定委員会」において話しあわれた内容をまとめたものです。
今後何年かをかけて、着実に本計画の事業実施がなされ、集落がますます発展することを希望します。
なお、本計画は、地区民の合意形成に基づき進められるべきものであり、毎年村民で評価を加えながら実施します。
 
U 集落の方向性
芦ノ原に生まれ・育ち・この地で生きていく。
押し寄せる少子高齢化・過疎化の波に何の手だても講じなければ、忽ち限界集落となり、集落は崩壊してしまいます。町内の集落の中には、そうした集落を見てとることができます。
現代社会に生き、ここに暮らす我々が元気(・・)に(・)・楽しく(・・・)生きる(・・・)手本を見せ、活気ある地域づくりを目指すことは、次世代の人達にも誇りと勇気を与えるものと思います。
地域おこし計画の策定にあたっては、地域住民の総意として、開発ではなく、地域に根付いた文化、風土・習慣、資源を活用したものとして
   
計画の目標
(1) 地域コミュニティーの再生 みんなが元気で、楽しく生きる集落
(2) 地域農業の振興
(3) 地域資源を活用した村づくり
 この三本柱を軸に、住民同士の交流、集落外の人たちとの交流を活発化させることにより、自分たち自らが元気となり、魅力ある集落づくりを図ろうとするも
のです。そのためには、地域の伝統や習慣、地域の宝(地域資源)を再度見つめ直し、それらを活用する方策を検討し、集落全員で取り組むこととします。
また、三つの柱を個々として考えるのではなく、地域のコミュニティーを大事にしながら農業振興を図り、あるいは、農業による特産物を地域資源とて活かす方策など、三本柱を総合的に関連させ、結び付ける事業の展開を図ります。
今回、住民一丸となって村おこしに取り組もうという本計画は、近燐他集落に先駆け「芦ノ原地区」がおこなうものです。一人一人が地域に対する思いや集落共同体の一員として意識を再確認し、情熱をもって本事業に取り組み成果を出すことは、近燐集落にも勇気を与え、強いては町全体が元気になります。
今後、この事業計画により、新たな芦ノ原集落の再出発がなるものと期待するところです。
 
V 具体的な事業計画
地域コミュニティーの再生
@
 伝統文化の復活と伝承
  神楽の村回りの伝承と充実
  村まつり(観音様等)の再生承
   
A  失われていく文化の記録保存
  芦ノ原応援歌、修養会歌の記録保存
  盆歌の記録保存
   
B
 伝統技術の伝承による交流
 
工芸品(ミノ、ハケゴ、コシゴ等)作成技術の伝承
 
炭焼き技術の伝承
   
C
 食文化の伝承等による世代間交流
 
伝統料理(平揚げ、小づゆ、漬物等)の伝承
 
若い人たちの料理講習会
 
伝統料理の商品化研究
     
D
 子ども行事復活による交流
 
天神様、観音様等子ども行事の復活
 
子ども寺子屋の開催
     
E
 新しい助け合い制度の確立
 
ボランティア「結い制度」の復活
 
子どもや高齢者世帯への見守り・援助
     
F
 地域イベントの活性化による交流
 
盆踊りの継承
 
さなぶり運動会、秋の収穫祭の継続実施
 
冬まつりの企画検討
     
G
 棚田を利用した交流
 
棚田オーナー制度の導入
 
景観景勝地づくり
     
農業振興
@
 集落営農組織の確立
 
農作業受託組合の整備・強化
 
担い手農家の育成
 
耕作放棄地対策の検討
 
米販売の調査・研究
 
棚田の景観対策
     
A
 直売所「ハイットー」の整備・強化
 
施設の充実
 
設備の充実
     
B
 売れる農産物の研究
 
安全で安心な農産物の栽培
 
買い手が喜ぶ農産物の調査研究
 
農産物加工食品の商品開発・研究
 
山菜やきのこの保護と販売
     
C
 棚田オーナー制度の導入
 
棚田オーナーとの交流
 
耕作放棄地の農地復元
     
D
 棚田の土手利用した交流
    棚田の草刈りの体験ツアー
    ハーブ、薬草、花の植栽ツアー
     
地域資源を活用した村づくり
@
 菅沼の保存と活用(保護柵の設置、探索路の整備)
A
 五霊神社の「五霊松」の保存と活用(説明版)
B
 鶴沼川渓谷の活用(マスつかみ大会、マス釣り大会、キャンプ場)
C
 集落内の神社・仏閣・石仏等の活用(案内マップ)
D
 新妻胤永墓所の活用(説明版、探索路の整備)
E
 住民の心の温かさを活かしたおもてなし
F
 文次郎「水の木場」の保存・公園化


W 具体的な事業計画の年次目標
【平成22年度】
@
 地域おこし計画書の作成
A
 ワーキングホリデーの受け入れ
B
 神楽の教示
     
【平成23年度】
@
 直売所「ハイットー」の整備・強化
 
施設の改修工事
 
加工機器の購入
 
施設看板等の整備
 
売れる農産物の研究・植栽
 
伝統料理の商品化研究(平揚げ、こづゆ)
     
A
 伝統文化の伝承による世代間交流
 
獅子舞の教示
 
神楽の村回りの伝承と充実(獅子の修繕、笛・摺り金の整備)
   
B
 地域イベントの活性化による交流
 
盆踊り継承のため太鼓の皮の張り替え
 
 
C
 棚田オーナー制度を利用した交流
 
草刈りカマ、稲刈りカマ、玉縄等の購入
 
棚田オーナーへ農産物の販売
 
土手の草刈り軽減のためオーナーと一緒に花を植栽
 
 
D
 文次郎「水の木場」の保存・公園化
 
土地の借上げ
 
説明版の設置
     
E
 食文化の伝承等による世代間交流
 
伝統料理(平揚げ、小づゆ、漬物等)の伝承
 
若い人たちから高齢者への料理講習会
     
F
 新しい助け合い制度の確立
 
ボランティア的「新しい結い制度」の構築
 
子どもや高齢者世帯への見守り・援助
     
G
 子ども行事復活による交流
 
天神様、観音様等子ども行事の復活(集会所)
 
子ども寺子屋の開催
     
H
 地域コミュニティーの再生
 
HPの開設
 
伝統行事の調査研究
     
【平成24年度】
@
 菅沼の保存と活用
 
保護柵の設置、探索路の整備
 
山菜やきのこの保護と販売
     
A
 失われていく文化の保存記録
 
芦ノ原応援歌、修養会歌の保存記録
 
盆歌の保存記録
     
B
 鶴沼川渓谷の活用
 
マスつかみ大会、マス釣り大会の開催
     
C
 地域資源を活用した村づくり
 
地域資源各所への看板設置、マップづくり
     
D
 直売所「ハイットー」の整備・強化
 
加工機材の購入
 
冷蔵庫等の購入
     
【平成25年から平成27年】
@
 平成23年、平成24年に実施できなかった事業の実施
     
A
 事業の検証と評価
 
X 芦ノ原地域おこし計画策定委員会
  芦ノ原集落が元気で活気ある新たな発展を遂げるための実行計画案づくりのための委員会が平成22年8月組織された。
     
  ○芦ノ原地域おこし計画策定委員会構成組織  
 
芦ノ原区三役(区長、副区長、総代)
3名
芦ノ原区前区長
2名
芦ノ原老人会
1名
芦ノ原青年会
1名
芦ノ原婦人会
1名
芦ノ原農作業受託組合
1名
芦ノ原直売所「ハイット―」
3名
芦ノ原生産組合
2名
芦ノ原区企画委員
4名
合  計
18名
  ※平成23年度からは、芦ノ原地域おこし推進協議会に移行  
     
  ○会議等の開催状況  
 
年 月 日
主な会議の内容
平成22年 4月11日 地区総会(事業申請の了承)
4月13日 事業決定、委員会メンバー選考
7月14日 地区後援会 会津短大 森教授
8月19日 委員会設立(役員の選出、設置要項の検討)
9月 7日 部会の設置、計画内容の検討、ワーキングホリデーの受入れ
9月24日 9月26日 会津短大生8名 体験農業(ワーキングホリデー)
12月10日 計画内容の検討、棚田オーナー制度について
12月11日 棚田オーナー制による地域活性化シンポ参加(5名)
12月23日 計画内容の検討、棚田オーナー制度の受入れについて
平成23年 1月 1日 地区新年会「棚田オーナー制度の受入れ決定」
2月11日 神楽団体との打合せ
2月20日 神楽の教示